コンパクト生成位相空間の圏 $\mathbf{CGTop}$ から、極度不連結コンパクトHausdorff空間の圏 $\mathbf{EDCHaus}$ 上の集合の前層の圏 $\widehat{\mathbf{EDCHaus}} = \mathbf{Set}^{\mathbf{EDCHaus}^{\mathrm{op}}}$ への関手 $$ F: \mathbf{CGTop} \longrightarrow \mathbf{Set}^{\mathbf{EDCHaus}^{\mathrm{op}}}, \quad X \mapsto C(-, X) $$ が充満忠実であることを証明します。
ここで、コンパクト生成位相空間 $X$ の定義として、「任意のコンパクトHausdorff空間 $K$ からの連続写像 $g: K \to X$ に関して写像の連続性が判定できる(位相が緊密(coherent)である)」という標準的な定義を用います。
任意の対象 $X, Y \in \mathbf{CGTop}$ と、2つの連続写像 $f, g: X \to Y$ を考えます。これらが $F(f) = F(g)$ を満たすと仮定します。
関手 $F$ の定義より、これは任意の $E \in \mathbf{EDCHaus}$ と任意の連続写像 $h: E \to X$ に対して、 $$ f \circ h = g \circ h $$ が成り立つことを意味します。
ここで、1点空間 $\{*\}$ は極度不連結コンパクトHausdorff空間の対象(すなわち $\{*\} \in \mathbf{EDCHaus}$)です。任意の点 $x \in X$ に対し、恒等的に $x$ を値に持つ連続写像 $h_x: \{*\} \to X \, (* \mapsto x)$ を考えることができます。
この $h_x$ に対して上記の条件を適用すると、 $$ f(x) = f(h_x(*)) = (f \circ h_x)(*) = (g \circ h_x)(*) = g(h_x(*)) = g(x) $$ が任意の $x \in X$ について成り立ちます。したがって $f = g$ となり、関手 $F$ は忠実です。
任意の自然変換 $\alpha: C(-, X) \to C(-, Y)$ が与えられたとき、$\alpha = F(f)$(すなわち $\alpha_E(h) = f \circ h$)を満たす連続写像 $f: X \to Y$ が存在することを示します。
1点空間 $\{*\} \in \mathbf{EDCHaus}$ を用いて写像 $f: X \to Y$ を定義します。
各 $x \in X$ に対し、先ほどと同様に写像 $h_x: \{*\} \to X \, (* \mapsto x)$ を対応させると、$\alpha_{\{* \}}(h_x)$ は $C(\{*\}, Y)$ の元(すなわち $\{*\}$ から $Y$ への連続写像)になります。そこで、
$$ f(x) := \alpha_{\{* \}}(h_x)(*) $$
によって写像 $f: X \to Y$ を定めます。
任意の $E \in \mathbf{EDCHaus}$ と任意の連続写像 $h: E \to X$ を取ります。
$E$ の任意の点 $e \in E$ に対し、包含写像 $i_e: \{*\} \to E \, (* \mapsto e)$ を考えます。これは連続写像です。
$\alpha$ の自然性(naturality)により、射 $i_e: \{*\} \to E$ に対して次の図式が可換となります: $$ \begin{array}{ccc} C(E, X) & \xrightarrow{\alpha_E} & C(E, Y) \\ \downarrow -\circ i_e & & \downarrow -\circ i_e \\ C(\{*\}, X) & \xrightarrow{\alpha_{\{* \}}} & C(\{*\}, Y) \end{array} $$ したがって、次の関係式が得られます: $$ \alpha_{\{* \}}(h \circ i_e) = \alpha_E(h) \circ i_e $$
この両辺を $\{*\}$ の点 $*$ で評価します。
これらが一致するため、任意の $e \in E$ に対して $\alpha_E(h)(e) = f(h(e))$、すなわち $\alpha_E(h) = f \circ h$ が成り立ちます。
写像 $f: X \to Y$ が連続であることを示します。
$X$ はコンパクト生成位相空間であるため、「任意のコンパクトHausdorff空間 $K$ と任意の連続写像 $g: K \to X$ に対して、合成写像 $f \circ g: K \to Y$ が連続である」ことを示せば、$f$ の連続性が従います。
任意のコンパクトHausdorff空間 $K$ と連続写像 $g: K \to X$ を固定します。
Gleasonの定理により、任意のコンパクトHausdorff空間 $K$ には、ある極度不連結コンパクトHausdorff空間 $E(K)$ からの全射連続写像
$$ p: E(K) \longrightarrow K $$
(Gleason被覆)が存在します。コンパクト空間からHausdorff空間への全射連続写像は商写像(quotient map)となります。
ここで、合成写像 $g \circ p: E(K) \to X$ を考えます。$E(K) \in \mathbf{EDCHaus}$ であるため、先ほど示された一般の性質($\alpha_E(h) = f \circ h$)を適用すると、 $$ \alpha_{E(K)}(g \circ p) = f \circ (g \circ p) = (f \circ g) \circ p $$ が成り立ちます。
$\alpha_{E(K)}(g \circ p)$ は $C(E(K), Y)$ の元であるため、写像 $(f \circ g) \circ p: E(K) \to Y$ は連続写像です。
いま、$p: E(K) \to K$ は商写像であるため、商位相の普遍性により、$(f \circ g) \circ p$ が連続であれば、$f \circ g: K \to Y$ も連続でなければなりません。
これが任意のコンパクトHausdorff空間 $K$ と連続写像 $g: K \to X$ について成り立つため、$X$ がコンパクト生成位相空間であることから $f: X \to Y$ は連続です。
以上により、$\alpha = F(f)$ を満たす連続写像 $f$ が存在することが示され、関手 $F$ は充満です。
関手 $X \mapsto C(-, X)$ は忠実かつ充満であるため、充満忠実(fully faithful)であることが証明されました。